第10回 ホームランの打球方向による打者のポジショニング(2009.4.16)
前々回と前回では打者を打ち取った内容と各投手について、コレスポンデンス分析でポジショニング(マッピング、マップ化)した。
今回は打者について同様のポジショニングをおこなってみたい。
打者の記録として、これまでと同様に打ち取られた内容でも悪くはないのだが、やはりバッターの華といえばホームランなので、ここでは本塁打の打球方向についてコレスポンデンス分析を実行した。
対象となったデータは、2007年のペナントレース(クライマックスシリーズは除く)において、ホームランを20本以上を放った23人である。
前々回でも述べたように、コレスポンデンス分析では軸の解釈はしないとされるが、敢えて解釈するならば、
・横軸は数値の小さい順に、レフト→センター→ライトの順になっているので、レフト方向とライト方向を分ける軸
・縦軸はセンター方向への本塁打が多いか少ないか(=飛距離が大きいか小さいか)を分ける軸
ということになるだろうか。
後者の縦軸の解釈については補足が必要かと思う。
実は、今回のコレスポンデンスの元となる集計結果は以下のようなものだった。
リーグに関係なく本塁打の多い順に並べており、本塁打王を獲った山崎武司(楽天)から育成枠から這い上がった中村紀洋(中日)までの23人について、打球方向別の本数とその割合(%)を併記している。
ガイエルはレフトへのゴロによるランニングホームランを除いているので合計は34本となっている。分析の狙いが「どの方向に柵越えしたか」にあるので、柵越えしていない本塁打を含めても意味がないからである。
ここで、「センター方向」の割合に注目していただきたい。この割合が高い順に、カブレラ(西武)、栗原健太(広島)、新井貴浩(阪神)などがおり、割合が低い順にガイエル、中村紀洋がいる。
つまり、センター方向への本塁打が多い(もしくは少ない)ことを拡大解釈して、飛距離の大小による分類と解釈してグラフに書き込んだのである。
もちろん、レフトやライトに放り込む打者でも飛距離が大きいケースもあり、縦軸を「飛距離の大小」だけでは結論づけられないので、あくまで簡易的な解釈として捉えて欲しい。
グラフを眺めると、当然のことながら、左打者はライト方向に、右打者はレフト方向に打ち込んでいることがわかるが、二岡智宏(巨人)がライト方向に多いのが目を引く。スイッチのセギノール(日本ハム)は対戦投手の左右からどちらの打席でどの方向に飛ばしているのかを調べるのも面白いかもしれない。
2008年の記録も早くまとめなければならない。漸く6月半ばを過ぎたところなので、終わるのはいつになるのやら。それに今シーズンが開幕して2週間近くも経ってるし・・・。
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